ひきずり という方言
生まれ故郷、愛知県小牧市に戻った時です。
いつもお世話になっている花屋さんから聞いたことば。
ひきずり。
なに?
ひきずり をサイトで調べてみる
名古屋では、すき焼きのことを「ひきずり」と言います。すき焼きなべの上で肉をひきずるようにして食べたことから、「ひきずり」と呼ばれるようになりました。大みそかにはひきずりを食べて、年の終わりまで引きずってきたいらないものを、その年のうちに片づけてから新年をむかえるという習慣がありました。
美しい表現ですね 。
でも現実は…
ひきずり とは 貧しさと残酷
その昔、食材に貧しかったこの地域には、家庭に数匹 にわとりを飼っていました。
それは飼育ではなく食べるためです。
ひきずりの対象になるのは卵を産まない雄や産めなくなった雌
ひきずりの時期がやってくると、家族は嫌がる鶏をひきずっります。
そして、当時の小牧に沢山あった「かしわや」さんへ鶏を持っていきます。
そのひきずられた鶏は「かしわや」さんで「締められます」
つまり首を締めたりひねったりして殺されます、そしてさばかれるわけです
そのさばかれた鶏の肉は、すき焼きの肉として調理されました。
かしわということば
小牧では鶏の肉のことをかしわと言います。
そして、昭和40年代にはかしわやさんが人口10万人弱の小牧に5軒ほどあったそうです。
かしわやさんは肉屋と違い、鶏肉専門のお店です。
鶏肉専門が大きくなったのが 三和 さんわグループ という企業です。
ひきずりは、お皿の中でひきずりって食べるものではなく、嫌がる鶏をひきずって調理をした意味から来ているそうです
余談:雌の鶏を締めたと、体内には産み落とす前の卵が大量にでてくるそうです。
当時の子どもたちはその玉子を美味しく食べていたそうです。